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正宗

正宗(まさむね、生没年不詳)は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期に相模国鎌倉で活動した刀工です。五郎入道正宗、岡崎正宗、岡崎五郎入道とも称され、日本刀剣史上もっとも著名な刀工の一人です。「相州伝」と称される作風を確立し、多くの弟子を育成しました。正宗の人物およびその作った刀についてはさまざまな逸話や伝説が残され、講談などでも取り上げられています。「正宗」の名は日本刀の代名詞ともなっており、その作風は後世の刀工に多大な影響を与えました。

鎌倉時代末期に「相州伝」と呼ばれる作風を確立した刀工です。日本刀剣史では、山城国・大和国・備前国・美濃国・相模国の五ヶ国の刀剣に特徴的な作風をそれぞれ「山城伝」「大和伝」「備前伝」「美濃伝」「相州伝」と称し、これらを総称して「五箇伝」といいます。正宗はこのうちの「相州伝」の代表的刀工です。

正宗の作刀には無銘のものが多く、在銘確実なものが少ないことから、明治時代には正宗の実在そのものを疑問とする、いわゆる「正宗抹殺論」(後述)が唱えられています。正宗の師・国光の作品には「鎌倉住人新藤五國光作 永仁元年十月三日」銘の短刀が現存し、国光が永仁元年(1293年)に活動していたことと、鎌倉に住した鍛冶であることが明らかです。一方、正宗の現存健全刀には製作年を明記したものは皆無だが、大坂落城の際に焼け、後に再刃された「嘉暦三年八月 相州住正宗」銘の短刀(名物大坂長銘正宗)が現存する。また、「相模国鎌倉住人正宗 正和三年十一月日」という銘のある短刀(名物江戸長銘正宗)がかつて存在したことが『享保名物帳』などの記録に残っている(嘉暦3年は1328年、正和3年は1314年)。現存作刀の時代観からも、正宗の活動時期を鎌倉時代末期から南北朝時代(13世紀末から14世紀初)と見ることは研究者の間で異論がないが、彼の正確な生没年は不明です。過去帳には正応 五郎入道正宗 戊子年(1288年)正月十一日法名心龍日顕壽八十才の記録がある)。また、史実とは見なされていないが、『古刀銘尽大全』には文永元年(1264年)-康永2年(1343年)と記されています。

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