田能村竹田

1777年: 豊後国直入郡竹田村（今の竹田市）の岡藩儒医田能村碩庵の次男として生まれる。
1783年: 6歳で素読を始める。
1788年: 11歳で藩校由学館で入学。成績は極めて優秀だった。その詩才を見抜いた師の唐橋君山は詩文結社竹田社・米船社の同人に迎えた。翌年、宿痾となった耳病と眼疾を発病する。
1794年: 18歳のときに母と兄を亡くし、翌年田能村家の嫡男となり藩主にまみえた。
1797年: 20歳頃より淵上旭江門の地元画家に画を学び、君山の紹介で江戸の谷文晁に現在でいう通信教育まで受けている。
1799年: 22歳のとき由学館に儒員として出仕し最終的には頭取に出立している。医業を辞めて学問に専心することとなり、幕命により『豊後国志』の編纂に携わった。
1801年: 編纂事業準備のため江戸に下向。その途次大坂の木村蒹葭堂を訪ね、江戸ではかねてより文通のあった谷文晁を訪問。
1805年: 眼病の治療と儒学を学ぶため、途中博多、長崎、熊本、小倉、下関に立ち寄り京都へ約2年間遊学。その間村瀬栲亭に入門。大坂では浦上玉堂や岡田米山人・上田秋成らと知遇を得る。
1811年: 生玉の持明院で頼山陽と邂逅、以来親交を深める。またこの年秋には紀州にて野呂介石にも画法を指南されている。専売制度に反対して藩内に農民一揆が発生。竹田は農民救済・学問振興を含めた藩政改革を要求する建言書を藩に2度提出したが受け入れられなかった。
1812年: 病気療養の必要もあり文化9年（1812年）辞表を提出。翌年致仕は認められ、37歳で隠居となるが、休息料として名目上2人扶持の俸給を与えられており、周囲の竹田への信頼を物語る。それ以後豊後と京阪との間を行き来しながら、頼山陽をはじめ岡田半江・浦上春琴・菅茶山・青木木米などの文人たちと交流を持つ。
1825年: 50歳で長崎に遊歴。来舶清人や長崎派の画家から中国絵画の技法を学ぶ。
1835年: 大坂の藩邸で亡くなった。享年59。