買取品目茶道具
楽 吉左衛門
樂 吉左衞門(らく きちざえもん)は、千家十職の一つ、楽焼の茶碗を作る茶碗師の樂家が代々襲名している名称である。2019年7月、16代が襲名。
初代
- 1XXX年
- 生年不詳
- 1589年
- 死去。
二代
- 1561年
- 生誕する。大振りでゆがみのある茶碗、「香炉釉」と呼ばれる白釉の使用を始める。本阿弥光悦と交流があった。
- 1635年
- 死去。
三代
- 1599年
- 生誕する。初代や二代とは全く異なる、朱色、黄色など多数の釉薬を使用する明るい作風が特徴。本阿弥光悦の影響と考えられる。
- 1656年
- 死去。
四代
- 1640年
- 生誕する。初代を模範としつつ、父の技法を取り入れ、地味な色調の中に光沢を持つ作風を特徴とする。
- 1696年
- 死去。
五代
- 1664年
- 生誕する。初代を模範としつつ、父の技法を取り入れ、地味な色調の中に光沢を持つ作風を特徴とする。
- 1692年
- 28歳の時「吉左衛門」襲名。いっそう長次郎回帰を進める。
- 1716年
- 死去。
六代
- 1685年
- 生誕する。「光悦写し」の茶碗で知られる。
- 1739年
- 死去。
七代
- 1714年
- 生誕する。茶道人口が町人にまで増大する中、茶碗以外に香合や花入れなど多数の作品を制作。
- 1770年
- 死去。
八代
- 1745年
- 生誕する。
- 1752年
- 父の隠居に伴い1852年に襲名するが、病弱のため、父の死後に弟に家督を譲り隠居、「佐兵衛」と改名。
- 1774年
- 死去。
九代
- 1756年
- 生誕する。「三代以来の名工」とされ、へら削りの巧みな造形に特徴がある。
- 1825年
- 近江国石山に隠棲し、悠々自適の生涯を送った。
- 1834年
- 死去。
十代
- 1795年
- 生誕する。
- 1811年
- 家督相続。表千家9代・了々斎と共に紀州徳川家に伺候、「偕楽園窯」開設に貢献。
- 1826年
- その後「西の丸お庭焼き」「湊御殿清寧軒窯」などの開設にも貢献した功績により文政9年(1826年)、徳川治宝より「樂」字を拝領。作風は織部焼、伊賀焼、瀬戸焼などの作風や意匠を取り入れ、技巧的で華やかとされる。
- 1854年
- 死去。
十一代
- 1817年
- 丹波国南桑田郡千歳村(現京都府亀岡市千歳町)の酒造業・小川直八三男として生誕する。
- 1845年
- 家督相続。明治維新後、茶道低迷期の中、旧大名家の華族に作品を納めるなど家業維持に貢献。
- 1902年
- 死去。
十二代
- 1857年
- 生誕する。
- 1871年
- 家督相続するが、茶道衰退期のため若いときの作品は少なく、晩年になって多数の作品を制作する。大胆なへら使いに特徴があるとされる。
- 1919年
- 隠居、以後は京都本邸と九代の別荘であった滋賀県の石山を往復し、優雅な晩年を送る。
- 1932年
- 死去。
十三代
- 1887年
- 生誕する。
- 1935年
- 釉薬、技法の研究を歴代中最も熱心に行い、また、樂家家伝の研究を行い、それらの研究結果を『茶道せゝらぎ』という雑誌を刊行し発表。
- 1944年
- 死去。
十四代
- 1918年
- 生誕する。
- 1940年
- 東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科卒。卒業後、召集され従軍。
- 1945年
- 生還するも、前年に父が死去、茶道も低迷期を迎えていた。
- 1960年
- 好景気となる昭和35年(1960年)以降、作品が充実するようになる。彫刻の理論を生かした立体的造形は他代には見られない特徴とされる。
- 1978年
- 樂家歴代史料を基に「樂美術館」開設。同年文化庁より無形文化財指定される。
- 1980年
- 死去。
十五代
- 1949年
- 京都市生まれ。
- 1981年
- 襲名。日本国内外で数々の賞を受賞し、陶工としてだけではなく「陶芸作家」としての評価も高い。
- 1997年
- 織部賞を受賞。
- 2007年
- 佐川美術館(守山市)に新設された樂吉左衛門館、茶室を設計。
- 2019年
- 隠居し直入を名乗る。
十六代(当代)
- 1981年
- 京都市生まれ。
- 2011年
- 先代のもとで作陶に入る。
- 2019年
- 襲名。著書に『定本 樂歴代』。
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